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2004/12/31(金) 曇り後雪から吹雪
中央高速の須玉ICのゲートをくぐり、国道20号線(甲州街道)から市道12号線に入る。
青木鉱泉(御座石鉱泉も同じ)入口の看板(信号機あり)を見つけ、車を進める。
途中から舗装はなくなり悪路の山道をしばらく進むと、右に御座石鉱泉、左が青木鉱泉の分岐となる、
右にさらに進むと、最奥が御座石鉱泉となっている。
概略図はこちら

山に会へ執筆した山行報告書はこちら
御座石鉱泉・・・・・燕頭山・・・・・鳳凰小屋(泊)
8:00      11:09      13:40
広い駐車場に車を停め、
御座石鉱泉の宿のおかみさんに
登山計画書を提出し、明日の宿泊の確認をする。
8:00 
早速、身支度を整え、駐車場脇の登山口から歩く。
ここから燕頭山(2104m)までは広葉樹林帯の中をジグザグの長い急登が続く、
ところどころ稜線を歩くが、
途中木製の階段を数段下りるところが、左側が切り通しとなっているため、
猛烈な風が吹き抜けていて恐い思いをした。
11:09
燕頭山はコメツガ林の中クマザサが密生しており、
猛吹雪を避けて大木の陰で小休止、
歩くのを止めるとすぐに寒さが襲ってくるし、
オーバー手袋を外すとじきに指先がマヒしてくる。
ここからは、なだらかな道になるが、
雪崩の起きそうな斜面をトラバースする所が何度かあった。
途中、数組の登山者と出会う、
単独の女性にも出会った、後でわかったが、鳳凰小屋の傍でテント泊らしい。
(すごい!)
その後、アップダウンを繰り返して、やっと小屋の影が見えて来たときは心底ほっとした。
13:40
予定より早く鳳凰小屋(標高約2300m)に到着。
小屋の入口で雪を落とし
(タワシがあると便利…忘れていた)、

薄暗い小屋に入る。
濡れた衣服や手袋、スパッツ等を掛け、
冷えた体を薪ストーブで温めた。
一息入れた後、
缶ビール(600円/350ml)で乾杯、
記帳を済ます(朝食なしで6500円)。
夕食まで時間があるのでストーブを囲んで
少し歯の抜けた
(何でも、高地に住むと歯が悪くなるらしい・・・)
人の良さそうな管理人さんと話をする。
発電機(写真右)はあるが故障らしくランプの宿だ、
トイレが外にあるのがなんともつらい、
午後から外は吹雪なのに…。
よく冷えた食堂でガスランタンの灯りの下での夕食はカレー、

管理人 「以前泊まったお客さんで、カレーに具が入っていないと観光協会へクレームが届き、
小屋のオーナーからえらく怒られた事がある。  ほらっ!具が入ってるでしょうが・・・」


確かに、それなりに具も入っていた、
山小屋の食事に文句は言えない、暖かいだけでありがたいものだ、
それよりなにより
早く食べないと端から冷めていくような寒さだった。




夕食後は、隣の部屋
(居間兼管理人さんの寝室)の
堀コタツで
(ストーブで出来た炭を入れてあるがとにかく熱い)
管理人さんを交えて雑談と情報収集。
アグネスラムその右にはキャンディーズの
ポスターが何とも懐かしい
我々の5人以外に今夜の泊まり客はなく、
二階の広いスペースに贅沢に寝具を並べる。
敷き蒲団を二枚敷き、
広めの寝袋にさらに寝袋をいれ、
その上に蒲団や毛布を重ねた、
オーバーヤッケは脱いだが、
あとはそのままで寝袋に入った。
外はあいかわらず吹雪のようで、風のうなり声に小屋のきしむ音が聞こえる。



2005/1/1(土) 曇り時々晴れ稜線では猛烈な風
五時過ぎに起床、ヘッドランプの灯りを頼りに、トイレと身支度を済まし、小屋の外に集合。
雪は降っていないが、昨夜からの積雪がかなりあり、
管理人さんから聞いた地蔵岳への登山道を、F(L)を先頭にして歩き出す。
小屋の前を右に進むと、すぐに樹林帯の急登となり、しばらくは息が切れる。
ときおり頭上を吹き抜ける強風が不気味に感じられた。
鳳凰小屋・・・・・地蔵岳・・・・・観音岳・・・・・薬師岳・・・・・南御室小屋
6:15       8:10       9:30       10:15       12:30
         ・・・・・苺平・・・・・杖立峠・・・・・夜叉神峠・・・・・夜叉神の森〜〜〜御座石鉱泉(泊)
       13:20    14:30      15:28         16:06        19:40
樹林帯を抜けると、右斜面のザレ場になる、
これを登りきると地蔵の並ぶ賽の河原だ。
7:08
朝日が射し始め、
ザレ場がオレンジ色に染まって美しい。
顔を上げると、
オレンジ色に染まった地蔵岳の
オベリスク群が立ち並んでいる、
真っ青な空をバックにとても印象的だ。
ザレ場を数度トラバースしながら登っていく。

カメラマン(管理人です)

2007/01/01 7:22:15

2007/01/01 7:27:37

2007/01/01 7:27:47

2007/01/01 7:39:28
ザレ場を右にトラバースぎみに登りきると、
地蔵岳のオベリスク群の基部に着く。

2007/01/01 7:39:40

2007/01/01 7:42:51

2007/01/01 7:43:04

2007/01/01 7:43:28


2007/01/01 8:12:53
基部より赤抜沢ノ頭を望む
左下付近が賽の河原
集合写真を撮り、少し休憩、
ここから下って賽の河原を過ぎ、
斜面を登れば赤抜沢ノ頭に出る。

2007/01/01 8:14:27

2007/01/01 8:28:56
赤抜沢ノ頭への登りの途中、
後ろを振り向けば(何度も写真で見た)
地蔵岳のオベリスク群が素晴らしい。

2007/01/01 8:29:08

2007/01/01 8:29:18

2007/01/01 8:29:44

2007/01/01 8:29:58
甲府盆地を覆いつくす朝霧

2007/01/01 8:30:05
また少し下って、鳳凰三山の中で一番高い観音岳(2840m)までの登りが待っている。
稜線に出ると、ときおり猛烈な強風が吹き荒れ、
そのせいか稜線は積雪も少ない、
休憩する時には手袋や帽子等を飛ばされないように十分注意をしよう。

2007/01/01 8:42:20

2007/01/01 8:42:46



9:30 観音岳(2840m)到着


観音岳を過ぎると、ハイマツ帯の中をゆるやかに下り、
10:15 薬師岳(2780m)に到着、ここで小休止
ここは一面広い白砂のザレ場、ここも風の通り道なのだろう着雪はほとんどない、

2007/01/01 10:15:15

2007/01/01 10:15:25
北岳(3192m)が威風堂々とした山容を見せているが、
今日は残念ながら山頂付近がガスに覆われてる。



2007/01/01 10:27:00

2005/01/01 10:28:39
正面稜線の後方には美しい富士山が
その優美な裾野を長く広げている、
富士山の左手前には甲府盆地が、
2005/01/01 10:29:09

2005/01/01 10:30:05
北岳バットレスがここから正面に見え、
左俣コースの雪渓が手に取るように見える。
右手はるか彼方には駿河湾までもはっきりと見える。
2005/01/01 10:32:12

2005/01/01 10:34:03
北岳の左に間ノ岳(3189m)、農鳥岳(3026m)と
白峰三山の素晴らしい展望が
見れるのだろう・・・

2005/01/01 10:51:31
時々烈風が吹くが、
奇岩や巨岩の中を素晴らしい展望を満喫しながらの
快適な稜線歩き!


2005/01/01 10:52:24

2005/01/01 10:52:46

2005/01/01 10:59:38

2005/01/01 11:00:52


2005/01/01 11:13:47

2005/01/01 11:14:12

2005/01/01 11:17:03



薬師岳を過ぎると、すぐに薬師岳小屋が見えてくる、今日は御座石鉱泉まで戻ることになるので先を急ぐ。




2007/01/01 11:56:39

2007/01/01 11:57:16

2007/01/01 12:00:01

2007/01/01 12:32:36
森林限界が終わり、
明るいシラビソの林を歩いていくと、
南御室小屋に着く(昼食休憩) 12:30

鳳凰小屋を出てから既に6時間が経っていて、
疲れも出ているが早めに出発する。
夜叉神峠登山口(タクシー待ち合わせ場所)までは、
あと4時間くらいと聞くと足が重くなった。
13:20
シラビソ林の中の苺平(2524m)は展望もなく、
千頭星山(2138m)への道はトレースは全く無い。

2007/01/01 13:20:23

2007/01/01 13:26:50
樹林帯が切れて、展望がいいのだが、
今日はガスで稜線が見えないのが残念
14:30 杖立峠
ここでアイゼンを外す、
ここから夜叉神峠までは下りのみ、
アイゼンが無い分、
靴を滑らしながら歩けるので
早く一気に下りる事が出来た。

15:30
 ようやく夜叉神峠小屋に着いた、
ここは白峰三山の眺めが良いそうだが、
ガスで展望は無い、おまけにタクシーを呼ぶにも、
携帯は継がらず小屋には電話が無い、
休憩する間も無く下りていく事にした。
16:06 
夜叉神の森(夜叉神峠登山口)
に降り立つ、
降りる途中で韮崎タクシーに電話したが、これがなんと、雪で車が登れない?
りっぱな舗装道路はきれいに除雪してあるのに、これでは帰れない…。
とりあえず携帯の継がるところまで歩いて降りることにし、
氷った道路の端を(時々転びながら)
だんだん薄暗くなっていく中を全員とぼとぼと歩き出す。

携帯の継がる場所で御座石鉱泉に電話をし、今度は
おかみさんから電話(三共タクシー)をしてもらい、なんとか迎えに来てもらえる事になった。

一安心したのだが、これがなかなか来なかった、
待っていると寒いので、ヘッドランプを点けて、少しでも降りていく事にしたのだが、
待てど歩けど、タクシーは来なかった。
この林道がまたやたら長くて、夜が明けても麓の町までつけるかどうか…。




漆黒の闇の中を動くかすかなヘッドランプの明かりが見えた時は、今回の山行で一番の感動だった。
さらに悪いことに、
前日降った雪で、市道にも御座石鉱泉までの悪路にも雪がタップリで、
車の腹をこすりながら、
御座石鉱泉まで送っていただいた三共タクシーの運転手さんに心からお礼申し上げたい。
ようやく辿り着いた御座石鉱泉で、
遅くなった夕食に出されたメニューに松葉のテンプラがあり、
生まれて初めて口にしたが、お世辞にも旨いものではなかった、
勿論他の料理は美味かった。
尚、あまり遅く入館すると、風呂のボイラーが止まってしまうので要注意!
2005/1/2(日) 羨ましいほどの快晴
帰路の途中、
車から降りて見た鳳凰三山(地蔵岳のオベリスクの先端〜観音〜薬師の稜線が一望)に感動、
さらに、車中から見た八ヶ岳が、透けるような青空を背景に純白に輝いていた!

中央右に地蔵岳のオベリスクの先端が見え、
左に観音岳、薬師岳と続く稜線が見えた、感激!

純白に輝く八ヶ岳
◇ 最後に
日程に余裕があれば、南御室小屋で一泊したいところです。
明るく静寂な樹林の中をアイゼンが雪を噛む音を聞きながら、ゆっくりと歩くのも冬山の楽しみのひとつです。

尚、下山時間がわかれば、事前に御座石鉱泉のおかみさんから、
三共タクシーに電話してもらっておくと安心なのですが、確実に下山時間に間に合うか、
またタクシーにしてもこの時期、大雪でも降れば上がってこられない事もあるので、難しいところです。
◇ 費用
   ≪宿泊料金≫          御座石鉱泉 (1泊夕食付き)   約12,000円+入湯税150円
                      鳳凰小屋   (1泊夕食付き)     6,500円

      ≪タクシー<大型>料金≫  夜叉神の森〜御座石鉱泉まで     12,000円(+α)

◇ コースタイム(参考)
   2004/12/31
     御座石鉱泉・・・・・燕頭山・・・・・鳳凰小屋(泊)
       8:00        11:09      13:40
   2005/1/1
     鳳凰小屋・・・・・地蔵岳・・・・・観音岳・・・・・薬師岳・・・・・南御室小屋
       6:15       8:10       9:30      10:15      12:30
           ・・・・・苺平・・・・・杖立峠・・・・・夜叉神峠・・・・・夜叉神の森〜〜〜御座石鉱泉(泊)
              13:20    14:30      15:28        16:06         19:40
◇ 個人装備
      冬山用装備一式、食料(31日の朝食、昼食)(1日の朝食、昼食)+非常食
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