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鳳凰三山 山行報告書                                 2005.1.6
  (地蔵岳2764m・観音岳2840m・薬師岳2780m)
日 程
  2004年12302005年12 予備日 1日
◇ 山行形態
  小屋泊まり縦走
◇ 交通機関
  マイカー
◇ 費用
  約3.5万円
◇ メンバー
  T.F(L)、T.A(会計)、K.M、T.Y、N.U(記録)
◇ コース
  2004/12/31   御座石鉱泉 ⇒ 燕頭山 ⇒ 鳳凰小屋
               800       11:09      1340

  2005/1/1     鳳凰小屋  地蔵岳  観音岳  薬師岳  南御室小屋
              6:15       8:10       9:30    10:15      12:30

                    ⇒ 苺平 ⇒ 杖立峠 ⇒ 夜叉神峠 ⇒ 夜叉神の森・・・御座石鉱泉
                      13:20   14:30     
1528        1606      1940
個人装備
  冬山用装備一式、食料(31日の朝食、昼食)(1日の朝食、昼食)+非常食
◇ 山行記録
 2005/1/1(土) 曇り時々晴れ稜線では猛烈な風

 五時過ぎに起床、ヘッドランプの灯りを頼りに、トイレと身支度を済まし、小屋の外に集合。雪は降っていないが、昨夜からの積雪がかなりあり、管理人さんから聞いた地蔵岳への登山道を、F(L)を先頭にして歩き出す。小屋の前を右に進むと、すぐに樹林帯の急登となりしばらくは息が切れる。ときおり頭上を吹き抜ける強風が不気味だ、樹林帯を抜けると、右斜面のザレ場になる、これを登りきると地蔵の並ぶ賽の河原だ。
 この頃から、朝日が射し始め、ザレ場がオレンジ色に染まる。頭を上げると、オレンジ色に染まった地蔵岳のオベリスク群が立ち並んでいる、真っ青な空をバックにとても印象的だ。ザレ場を右にトラバースぎみに登りきると、地蔵岳のオベリスク群の基部に着く。集合写真を撮り、少し休憩、ここから下って賽の河原を過ぎ、斜面を登れば赤抜沢ノ頭に出る。また少し下って、鳳凰三山の中で一番高い観音岳(2840m)までの登りが待っている。稜線に出ると、ときおり猛烈な強風が吹き荒れ、そのせいか積雪も少ない、休憩する時には手袋や帽子等を飛ばされないように十分注意をしよう。
 観音岳を過ぎると、ハイマツ帯の中をゆるやかに下り、薬師岳(2780m)に到着、ここは一面広い白砂のザレ場、ここも風の通り道なのだろう着雪はほとんどない、その中にさまざまな巨岩が散在している。右に北岳(3192m)が威風堂々とした山容を見せているが、山頂付近がガスに覆われていてとても残念だ、バットレスがここから正面に見え、左俣コースの雪渓が手に取るように見える。北岳の左に間ノ岳(3189m)、農鳥岳(3026m)と白峰三山が続くのだが、その稜線はガスの中に隠れている。正面稜線の後方には美しい富士山がその優美な裾野を長く広げている、富士山の左手前には甲府盆地が、右手はるか彼方には駿河湾までもはっきりと見える。
 薬師岳を過ぎると、すぐに薬師岳小屋が見えてくる、今日は御座石鉱泉まで戻ることになるので先を急ぐ。森林限界が終わり、明るいシラビソの林を歩いていくと、南御室小屋に着く(昼食休憩)。ここまで、鳳凰小屋を出てから既に六時間が経っていて、疲れも出ているが早めに出発する。
 夜叉神峠登山口(タクシー待ち合わせ場所)までは、まだ四時間くらいと聞くと足も重くなる。シラビソ林の中の苺平(2524m)は展望もなく、千頭星山(2138m)への道はトレースすら全く無い。杖立峠(ここでアイゼンを外す)を過ぎ、ようやく夜叉神峠小屋に着いたのが15:30、ここは白峰三山の眺めが良いそうだが、ガスで展望も全く無く、おまけにタクシーを呼ぶにも、携帯は継がらず小屋には電話も無い、休憩する間も無く降りていくことにした。
 夜叉神の森(夜叉神峠登山口)に降り立ったのが16:06、降りる途中で韮崎タクシーに電話したが、これがなんと、雪で車が登れない?りっぱな舗装道路はきれいに除雪してあるのに、これでは帰れない…。とりあえず携帯の継がるところまで歩いて降りることにし、転びながら薄暗くなる中をとぼとぼと歩き出す。
 携帯の継がる場所で御座石鉱泉に電話をし、おかみさんから三共タクシーに電話をしてもらい、なんとか迎えに来てもらえる事になった。
 一安心したのだが、これがなかなか来なかった、待っていると寒いので、ヘッドランプを点けて、少しでも降りていく事にしたのだが、待てど歩けど、タクシーは来なかった。この林道がまたやたら長くて、夜が明けても麓の町までつけるかどうか…。
 漆黒の闇の中を動くかすかなヘッドランプの明かりが見えた時は、今回の山行で一番の感動だった。さらに悪いことに、前日降った雪で、市道にも御座石鉱泉までの悪路にも雪がタップリで、車の腹をこすりながら、御座石鉱泉まで送っていただいた三共タクシーの運転手さんに心からお礼申し上げたい。
 ようやく辿り着いた御座石鉱泉で、遅くなった夕食に出されたメニューに松葉のテンプラがあり、生まれて初めて口にしたが、お世辞にも旨いものではなかった、勿論他の料理は美味かった。

 2005/1/2(日) 羨ましいほどの快晴

 帰路の途中、車から降りて見た鳳凰三山(地蔵岳のオベリスクの先端〜観音〜薬師の稜線が一望)に感動、さらに、車中から見た八ヶ岳が、透けるような青空を背景に純白に輝いていた!

◇ 最後に

 日程に余裕があれば、南御室小屋で一泊したいところです。明るく静寂な樹林の中をアイゼンが雪を噛む音を聞きながら、ゆっくりと歩くのも冬山の楽しみのひとつです。尚、下山時間がわかれば、事前に御座石鉱泉のおかみさんから、三共タクシーに電話してもらっておくと安心なのですが、確実に下山時間に間に合うか、またタクシーにしてもこの時期、大雪でも降れば上がってこられない事もあるので、難しいところです。熱い思いと普段のトレーニングを十分にしてこの素晴らしい鳳凰三山冬期縦走にぜひチャレンジしてください。皆さんお疲れ様でした。

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