八ヶ岳連峰登山報告書
                                                                   平成16年1月5日

 日 程   20031230() 〜 2004年1月()
12/31(水)曇り
太陽館駐車場に車を止め、美濃戸口バス亭にて登山計画書記入、12:15赤岳鉱泉到着、ガスか雪か主稜線は全く見えず、明日の山行が心配だ。赤岳鉱泉では、贅沢な個室での宿泊となる、夕食後、毎年恒例のビンゴゲームがあり、大盛り上がりだった。
1/1(木)快晴
昨日の天候が嘘のような雲一つ無い快晴、雪を被った横岳から赤岳への稜線が針葉樹林帯の後方高くに、くっきりと見える。赤岳鉱泉玄関前の登山口から針葉樹林帯の中を登って行く、風も無く真青な空に朝日を受けてきらきら輝いている樹氷がとにかく美しい。しばらく登ると視界が開け、硫黄岳横岳赤岳のなだらかな稜線が、真青な空と純白な山肌が素晴らしいコントラストとなって大きく目の前に展開する。赤岳(2899m)から一気に降りて阿弥陀岳(2,805m)が続き、その右稜線のはるか遠くに仙丈岳(3,033m)、甲斐駒ヶ岳(2,967m)など南アルプスの名峰が雪を被って美しい限りだ。10:00硫黄岳山頂(2760m)に到着、山頂は広いので、視界が悪い時は、十分に注意しよう。大ケルンが目印になる。不気味で巨大な爆裂火口壁をぜひ見ておこう。風が強くなると、気温が急激に下がり、顔に当たる雪の粒が痛い。ここからガレ場を下り横岳への稜線をたどる。ここは風当たりが強いせいか、着雪も少なく、はじめて見るエビの尻尾(正式な名称は不明)が、ほんとうに風上に向けて多数成長している。大ダルミに建っている硫黄岳山荘を過ぎ、横岳(2829m)に到着、目の前に赤岳が大きく見え、その左に富士山が遠く小さく見える。赤岳展望荘にて昼食後、赤岳への急峻な登りとなる、13:28赤岳(2899m)に到着、風が強い為、360度の展望を満喫した後、早々と文三郎尾根を降りる。行者小屋を過ぎ、15:09赤岳鉱泉に到着。
/2(金)晴れ
7:30赤岳鉱泉出発、行者小屋でハーネスを着ける。文三郎尾根の途中から阿弥陀岳の北稜へ取り付く。かなり急な登りで、低潅木の枝を掴みながら登るが、雪もふかふかでアイゼンが効かない、転げ落ちそうだ。T.F(L)が先に登り、T.Aさんが下で確保し、ザイルに細引きでフィックスして私が登り続いてK.Mさんが登った。最後のT.Aさんは体にザイルを巻きつけながら登ったらしい。続いて岩稜の登りとなる。T.F(L)が先に登り、私が下で確保した、T.F(L)が登るルートを見ていたつもりが、私は途中で左に反れてしまい、一時全く身動き出来なくなった。オーバー手袋をしていたのと、ピッケルが邪魔になってしまい、細引きのフィックスがさらに不安を増し、この時ばかりは、かなりびびってしまい、自分の技術の未熟さを痛感させられた。K.Mさんが登って来て、T.Aさんが登ってくる頃になってようやく落ち着いた。最後の岩場はザイルの途中を8字結びして登った。勿論、ピッケルはザックの後ろにくくり付け、オーバー手袋は外した。少し登り12:20阿弥陀岳(2805m)到着、360°の大展望、富士山が昨日より大きく見え、目の前の赤岳が威風堂々として素晴らしく、いつまでも見ていたいが、早々と御小屋尾根を下る。この尾根はだらだらと続くが、シャクナゲが非常に多く、花の咲く時期には素晴らしいだろう。私にとっては、初めての冬山、ラッセルも無く、幸運にも恵まれ、冬山の厳しさと楽しさ、そして、なにより美しさを体感出来た山行でした。

       ◆ コースタイム(参考)

   12/31 太陽館…………美濃戸…………赤岳鉱泉

                8:55       10:1310:30    12:15

          1/1  赤岳鉱泉……硫黄岳…………横岳……………赤岳…………行者小屋………赤岳鉱泉

                   8:10    10:0010:15 11:0911:20 13:2813:35 14:3714:40   15:09

        1/2  赤岳鉱泉………行者小屋………阿弥陀岳………御小屋尾根………太陽館

                      7:30    8:258:30 12:2012:42          16:30

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